2010年10月22日(金)「しんぶん赤旗」

主張

沖縄県知事選

県民の総意で行動する県政を


 日米両政府が米海兵隊普天間基地の名護市辺野古「移設」を県民の頭越しで決定し、押し付ける構えを強めるなか、沖縄県の知事選が間近に迫っています(11月11日告示、28日投票)。

 選挙戦は、日本共産党、社民党、社大党が擁立する前宜野湾市長のイハ(伊波)洋一候補と、仲井真弘多現知事の事実上の一騎打ちです。

 知事選は普天間基地ノー、新基地ノーのゆるがない県民の意思を日米両政府につきつける絶好の機会です。

「日米合意」の撤回へ

 沖縄には在日米軍基地総面積の75%が集中し、県民は日々危険を強いられるとともに生活も地域経済も脅かされています。太平洋戦争末期に米軍が国際法もじゅうりんして土地を奪い、その上につくった軍事基地を、戦後65年も存続させてきた日米両政府への県民の怒りは限度を超えています。

 とりわけ米国防長官ですら「世界一危険」という普天間基地の早期閉鎖・返還要求と、辺野古に新基地を建設する「県内移設」反対の声は今年に入っても強まるばかりです。

 1月の名護市長選挙での勝利、4月の9万人が集まった県民大会、9月の名護市議選での新基地建設反対派の圧勝、県議会の「県内移設反対」決議と「日米合意見直し要求」決議に続き、10月には名護市議会が「日米合意撤回要求」を決議しました。

 こうした動きは普天間基地ノー、新基地ノーが県民の総意であることを示しています。こうした県民の総意におされ仲井真知事も「県外移設」をいうようになっています。

 県民のたたかいが引き返せないところまで高揚しているいま、知事選を通じて、県民総意にもとづいて行動する沖縄県政を築くことが重要です。

 イハ氏は宜野湾市の市長として、「普天間基地早期閉鎖・返還、県内移設断念、辺野古移設を明記した日米共同声明撤回、米海兵隊そのものの撤退」を求めてたたかい、今回の知事選でもそのことを公約にかかげています。県民の強固でゆるぎのない総意を代表できるのは、イハ氏以外にないのは明らかです。

 県民の総意に反した辺野古移設の「日米合意」の実行はもはや不可能です。「日米合意」を白紙撤回し、普天間基地の無条件返還を求めてアメリカと本腰の交渉をする以外、解決の道はありません。

 普天間基地の「県内移設」に反対し、日米合意の撤回を求めることこそ県民総意に応える道です。

平和でこそ経済も発展

 沖縄経済の発展も基地が障害です。沖縄県の「沖縄21世紀ビジョン」も基地の存在が「沖縄振興を進める上で大きな障害」とのべています。農業などの第1次産業の割合は2%を下回り、産業構造は深刻です。基地をなくせば発展の道が開けます。沖縄県議会の資料は基地の跡地利用で生産も向上し、雇用も3万4541人から48万6754人に伸びると試算しています。基地をなくすなかでこそ経済を発展させ、生活を向上させる道も開かれます。

 県民の総意に沿った審判で、沖縄県知事選を基地のない平和で豊かな沖縄・日本への歴史的な一歩にすることが求められています。





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