2010年10月21日(木)「しんぶん赤旗」
政党助成金
菅内閣 閣僚ためこみ 4200万円
余れば国庫返納が当然
年間約320億円にのぼる税金を、日本共産党を除く政党の間で分け取りしている憲法違反の政党助成金。あまったら国に返すのは当然ですが、菅直人内閣の9人の閣僚が2009年末時点で使い残した政党助成金を返還せず、あわせて4200万円もためこんでいることが本紙の調べでわかりました。
政党助成金は、国民1人あたり250円の税金が、毎年、政党の国会議員数や得票数に応じて分配されています。このため、その年にどう使ったか、報告する義務があります。
本紙は非議員の片山善博総務相を除く菅首相はじめ、各閣僚が支部長を務めている政党支部が総務相に提出した09年の政党交付金(政党助成金)の使途報告書を調べました。
これによると、国民新党の自見庄三郎郵政改革・金融相は500万円、民主党の各閣僚は、1000万〜2200万円の政党助成金を、それぞれの党本部から受け取っています。党本部から受け取った1500万円を人件費に852万4145円、事務所費に278万5400円などに使い切った菅首相はじめ7閣僚は、残高ゼロでした。
使途も問題
一方、政党助成金を使い残した閣僚は、9人にのぼりました。うち、100万円以上残したのは7人です。(表参照)
国会内で商業誌のファッションモデルとなり、問題になった蓮舫行政刷新相は、09年に党本部から受け取った1000万円と、08年末の基金残高約1752万円から人件費269万7321円など770万円を支出しただけで、2000万円近くを使い残しました。
片山総務相は、09年に約150万円を使い残した公明党の沢雄二前参院議員の支部に対して、国庫に返納するよう命令を出しました。政党助成金は税金であり、閣僚も、あまった政党助成金は返すのがスジです。
助成金の使途も問題だらけです。09年には総選挙がありましたが、玄葉光一郎国家戦略相の支部は700万円、野田佳彦財務相の支部は500万円の公認料を、みずからに支出していました。税金の“お手盛り”です。
約400万円の残高がある海江田万里経済財政相は、選挙区内の都議候補3人に各10万円の公認料を支出しています。
税金なのに
政党助成金は、税金なのに、使途については基本的に条件も制限も課していません。5万円以上の支出について、詳細な報告が義務づけられているだけです。3円の残高がある松本龍環境相の場合、組織活動費のうち、渉外費と会合費で約180万円の支出がありますが、具体的な使途はいっさい不明です。
民主党政権は「事業仕分け」をいいますが、政党助成金にこそメスを入れるべきです。
基金残高が09年末100万円超の7閣僚
〈注〉09年政党交付金使途報告書で作成