2010年10月21日(木)「しんぶん赤旗」
「必要最小限の基準」に
子ども・子育て検討作業チーム
「一時預かり」で2案示す
現行の保育・幼児教育制度を大規模に改変する「子ども・子育て新システム」の基本制度設計を検討する作業チームの会合が20日、内閣府で行われました。さまざまな理由で一時的に子どもを預ける「一時預かり」について、事務局は、人員・設備などの最低基準を「必要最小限の基準とすべきではないか」としたうえで、二つの案を示しました。
一つは、市町村が「一時預かり」事業の実施に関与せず、NPOや営利企業などの事業者が民間の託児サービスとして事業を行うもので、「できる限り多様な」実施方法を認めます。一定年齢以下の子どもの親に「一定量」の利用を認めます。もう一つの案は、「一時預かり」を市町村事業として位置づけますが、多様な事業主体への委託を認めます。
どちらの案でも、託児の場所は常設の施設に限らず、研修所や集会所などへの出張も認めます。保護者への補助方法は利用券を提供することを想定しています。
こうしたやり方で、預けられた子どもの安全や保育の質が確保されるかについては重大な懸念があります。
子ども・子育て新システム 子育て支援のための各種の財源を一本化して市町村に配分、市町村が個人に給付する新たな制度を構想しています。給付は▽すべての子育て世帯向けの基礎給付▽仕事との両立支援などのための給付―の2階建てにするとしています。
基礎給付としては、個人への給付として、子ども手当、「一時預かり」利用、妊婦健診が想定されています。
子ども手当として現金で受け取るか、子ども手当の一部を「一時預かり」に振り替えるかは個人が選択できるようにするとしています。一部を学校給食費や各種の子育て・教育サービス利用券とする仕組みも検討しています。