2010年10月15日(金)「しんぶん赤旗」
外務省HPに尖閣コーナー
下関条約の交渉経過も解説
共産党見解の4日後
日中間の尖閣諸島領有権の問題で、外務省がホームページで新たに「尖閣諸島に関するQ&A」というコーナーを8日から設けたことが、このほどわかりました。同省ホームページでは、これまで「尖閣諸島の領有権についての基本見解」という簡単なコメントが掲載されているだけでした。
設置の経過や目的について外務省は、「日本の尖閣諸島に対する立場をもっと内外に知らせるべきという議論があり、前原外務大臣や菅首相も言及しているので、それにのっとった取り組みの一環」としています。
同コーナーでは、尖閣諸島に対する日本政府の領有権の根拠を国際法・合意などをもとに丁寧に主張。「尖閣諸島は日清戦争後日清講和条約(下関条約)によって台湾と共に日本に割譲された台湾の付属島嶼(とうしょ)ではないのですか」という中国側の主張を意識した問いも設け、日本が尖閣諸島を編入するまでの経過や下関条約の交渉経過を解説し、中国側の主張は成り立たないとしています。
日本共産党は、日本の尖閣諸島の領有には歴史的・国際法上に明確な根拠があり、正当と主張。9月30日には、衆院予算委で笠井亮議員が「領有に明確な根拠があることを中国政府や国際社会に理を尽くして主張してきたのか」と追及し、前原誠司外相が「日本の立場を発信してきたかについては、大いに反省するところがある」と答弁していました。
4日には尖閣諸島問題について日本共産党の見解を発表。「尖閣諸島は中国固有の領土であり、日清戦争に乗じて日本が不当に奪ったもの」という中国側の主張が成り立たないことを、日清講和条約(下関条約)とそれにかかわる交渉過程の詳細な検証を踏まえて明らかにし、「日本による尖閣諸島の領有は、侵略主義、領土拡張主義とは性格がまったく異なる、正当な行為」としました。志位和夫委員長はその立場で7日の衆院本会議の代表質問で政府をただし、菅直人首相は「正しい理解が得られるよう今後とも努力する」と答弁していました。