2010年10月15日(金)「しんぶん赤旗」
主張
秋のたたかい
暮らし守る国民運動を大きく
暮らしをめぐっていま、各分野から悲鳴があがっています。日本共産党は、「国民のたたかいによって、暮らしを守り、日本経済を立て直そう」と訴えていますが、この秋の国民的運動は、暮らしと経済の危機を打開するために、きわめて重要な意義をもちます。
まったなしの課題
民間企業の従業員の給与はこの1年で23万7千円も落ち込みました。非正規労働者の解雇・雇い止めはことし初めからだけでも4万人をこえています。大学生・高校生の就職難は「超氷河期」といわれる事態です。円高による仕事減らしや単価引き下げで中小業者の営業はいよいよ立ちゆかなくなり、新米の産地価格が前年より2割近くも暴落し、農家と農村経済を崩壊の危機に直面させています。
貧困の拡大で生活保護受給者数は180万人を超え、子どもの貧困や高齢者の「孤独死」も社会問題となっています。高すぎる国保料が払えず、十分な医療を受けられない事態が広がり、医師・看護師不足、待機児童の急増なども深刻です。暮らしをめぐるまったなしの課題が山積しています。
臨時国会の所信表明演説で菅直人首相は、国民の深刻な生活実態への認識はいっさい語りませんでした。労働者派遣法の抜本改正や最低賃金の引き上げ、後期高齢者医療制度のすみやかな廃止、米価暴落を食い止める「過剰米」の買い入れなど切実な要求にはこたえていません。一方で、財界・大企業の求める法人税減税を目指し、それと一体で消費税増税に道を開こうとしています。まさに「古い政治の新たな執行者」です。
暮らしの問題だけでなく、沖縄・普天間基地の閉鎖・撤去をめぐるたたかいもきわめて重大な段階にあります。民主党政府は県民の総意を踏みにじり県内「移設」の「日米合意」を強行しようとしています。沖縄県民の意思はいっそうゆるぎないものとなっています。11月28日投票の沖縄県知事選挙はまさに天王山のたたかいです。
いま全国で、「見捨ててもいい命など、どこにもない」「コメつくってメシがくえない」など、深刻な実態の打開をもとめる運動や共同行動がひろがっています。10月にも「社会保障費を大幅に増やし、医療・介護の拡充を求める国民集会」(21日)や「障害者自立支援法廃止と新法づくりをもとめる全国大フォーラム」(29日)などさまざまな行動が計画されています。11月には国民大運動実行委員会による11・18「中央行動」が開かれます。沖縄に連帯した集会も各地でとりくまれています。これらの集会、行動をはじめ国民の運動を大きく前進させることが重要です。
一致する要求で幅広く
「地域主権改革」の名で住民の生活と地方自治破壊がおしすすめられようとしていることも重大です。民意を切り捨てる衆議院比例定数削減の策動も許せません。沖縄県知事選でイハ(伊波)洋一候補への支援を、全国民的な課題として広げることも求められます。
日本共産党は、政治のゆがみを根本からただす道筋を明らかにし、「国民との結びつきを生かし、広げる」立場で、国会論戦と運動の発展に力を注いでいます。労働組合、民主団体をはじめ広範な団体、関係者との一致する要求にもとづく共同を大きくひろげるため、力をつくしていきます。