2010年10月14日(木)「しんぶん赤旗」
名古屋議定書の採択を
準備会合が始まる
生物多様性COP10in名古屋
植物や微生物など生物遺伝資源の利用と利益配分の国際ルールを定めた名古屋議定書の採択を目指して、国連の生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)の準備会合が13日、4日間の日程で名古屋市で始まりました。
会合で議論される新しい議定書は、生態系の保全、持続可能な利用・開発を規定する法的拘束力ある枠組みで、COP10の重要議題の一つ。「生物遺伝資源」は、新薬開発や農作物の品種改良などに役立つ遺伝的機能を持つ動植物や微生物や遺伝子情報のことで、先進国の製薬企業や研究機関は、新たな利用価値がある遺伝資源の原産国である途上国から得てきました。
生物多様性条約は、生物遺伝資源の乱獲の規制や利用国が原産国への利益配分などを盛り込んでいます。しかし、途上国は先進国側が原産国の遺伝資源から医薬品などを開発して得た利益が還元されていないと訴え、新しい利益配分の国際ルールづくりの交渉が2002年からスタート。途上国への利益還元や、遺伝資源の不正取得については、先進国側が自国内の法律で規制することなどのルールづくりが最終局面を迎えています。
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