2010年10月14日(木)「しんぶん赤旗」
高齢者に優しい街に
医療福祉生協連 創立記念シンポ
10月から事業が始まった日本医療福祉生活協同組合連合会(略称・医療福祉生協連)の創立記念シンポジウム「高齢者にやさしい都市(まち)づくり」が13日、東京都内で開かれ、約170人が参加しました。医療福祉生協連は7月、115医療生協と日本生協連が母体になって創立されました。
日野秀逸副会長理事が開会あいさつ。コーディネーターを務めた高橋泰行会長理事が「WHO(世界保健機関)のとりくみを学び、超高齢化社会を目前にした日本でどういうまちづくりが可能か、課題を学びたい」とのべました。
WHOの高齢化と人生部部長のジョン・ベアード氏が基調報告。「高齢者は社会のお荷物ではなく、いろんな形で社会に寄与する素晴らしい人的資源である」とのべ、生涯を通じた健康増進や環境の整備などの重要性を強調。WHOが6月に発足させた「高齢者にやさしいまち グローバルネットワーク」にすでにフランスなど3カ国が国レベルで参加し、各都市レベルの参加も広がっていることを紹介。日本も厚生労働省がぜひ国レベルの計画をつくってほしいと期待を語りました。
富山医療生協の大野孝明理事長がWHOの「高齢者にやさしいまちチェック」を先行実施した調査結果を発表。日本に合った「日本版チェックリスト」をつくり高齢者訪問活動に活用し、「いのちの大運動」などの班や支部での活動に結び付けていく課題を報告しました。
厚生労働省老健局の千田透課長補佐も、市民や協同組合の役割の大切さに言及し、医療福祉生協連の活動への期待をのべました。
参加者からは、「大阪の地元でまちづくり協議会を立ち上げているが、医療生協のシステムが有効と感じた。地域でどう役立つか知らせ、広がりをもたせることが大事だ」(研究者)、「購買生協と医療生協が協力し合って安心、見守りのネットワークづくりを進めている」(東京)などのとりくみが紹介されました。
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