2010年10月13日(水)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 またじわり、円高です。外国為替の急な動きは、時々、お金がつくりだす風景を一変させます▼1ドルが100円から80円に円高が進めば、前は1ドルで100円のものが買えたのに、80円のものしか買えません。逆に、前は100円なければ1ドルのものを買えなかったのに、こんどは80円ですみます▼ごく単純に話せば、こうなります。しかし最近、どうしても単純な計算では解けない数字の金額をみました。17億ドル。日本が1年間に負担するアメリカ軍への「思いやり予算」は17億ドル、というのです。米国務省の高官が話しています▼日本の2009年度予算で、「思いやり予算」は1928億円。17億ドルなら、およそ1ドル113円です。しかし、2009年度はだいたい1ドル90円台の動きでした。かりに、年度末3月の93円余りで計算すると21億ドル。米政府に、なにか特別な計算があるのでしょうか。知りたいところです▼高官はいいます。在日米軍経費にアメリカは48億ドルもつかっているのに、17億ドルとは「日本は相当節約している」、もっとふやすように、と。しかし、日本の負担は「思いやり」だけではありません。米軍再編の経費などすべて含めると、2010年度7146億円。いまの1ドル82円で計算するなら、87億ドルを超えます▼これで、“節約しないように”とは…。15年前、米国防総省の高官が語っていました。「(日本が)米軍部隊の70%を負担しているのだから、米国内に置くよりも日本に駐留させる方が、費用はかからない」





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