2010年10月13日(水)「しんぶん赤旗」

騒音米軍機配備 環境アセス拒否 菅内閣

「辺野古」にオスプレイ


 政府は12日の閣議で、沖縄の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に代わる新基地(名護市辺野古)への垂直離着陸機MV22オスプレイ配備問題に関し、同機の配備によって飛行経路が変更しても環境影響評価(アセスメント)のやり直しを「要しない」とする答弁書を決定しました。糸数慶子参院議員の質問主意書に答えました。

 これまで新基地建設に関する環境アセスは、普天間基地に配備されているヘリコプターを前提に進められ、オスプレイの配備は隠されてきました。しかし、米側が同機の配備計画を公然と明らかにする中で政府も認めざるを得なくなっており、沖縄では騒音の増大を懸念してアセスやり直しを求める声が強く上がっています。

 答弁書は、米海兵隊が公表している計画で、普天間基地配備のCH46ヘリ部隊が2012年10月からMV22オスプレイ部隊に代わると記述されていることを「承知している」と回答。「将来において沖縄にMV22が配備される可能性があることは認識している」と認めました。

 一方で、オスプレイの沖縄配備は現時点で確定していないと釈明。その上で、一般論として飛行経路の変更に伴う環境アセスの「修正」は、沖縄県環境影響評価条例20条1項、23条1項、25条をあげて「要しないものと考えられる」としました。これらの条項では、事業内容の「軽微な修正」の場合、環境アセスのやり直しは求めていません。

 しかし政府は、これまでヘリを前提にしてきた米軍機の飛行経路について米側がオスプレイの配備を念頭に置いて合意せず、以前よりも陸地に近づいた経路を求めていることを認めています。飛行経路の「大幅な変更」は不可避です。しかも、同機はヘリとはまったく異なるタイプの航空機であり、騒音の質・量ともに異なる可能性があります。その意味でもアセスのやり直しは不可欠です。





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