2010年10月11日(月)「しんぶん赤旗」
「円高倒産」が15%増 9月まで
大企業海外移転が影響
円高基調が続くなか、円高関連倒産が急増しています。民間調査会社、帝国データバンクの調査では、今年1月から9月で前年同期(27件)を14・8%上回る31件が倒産しています。円高による生産減と生産拠点の海外移転が影響しています。
アップル社のiPodなどの外装を手掛けていた研精舎(東京都大田区)は2月に破産手続きに入りました。同社はコンピューターや音楽機器用機構部品の製作を手掛け、日立グローバルストレージテクノロジーズやソニー、富士通など大手とも取引がありました。しかし、円高の影響から売り上げが減少していました。
6月には金属プレス製品を製造するヤマイチ(東京都目黒区)が民事再生法の適用を申請。同社はセイコーインスツルやキヤノン、東芝などと取引がありました。取引先の生産拠点が海外に移るとともに受注が減少。今年に入り、海外生産体制がさらに強まったため倒産にいたりました。
作業工具などを製造する相伍工業(新潟県三条市)は9月に民事再生法の適用を申請しました。同社は特許、意匠登録も多く、地元作業工具メーカーのリーダー的存在。しかし、2009年12月期に自動車メーカーの在庫調整にともなう受注低迷に加え、円高の影響で輸出が激減しました。
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