2010年10月10日(日)「しんぶん赤旗」

臨時国会 共産党の「尖閣」論戦に共感

民主・自民 “汚い言葉”“写真撮影”で応酬

これが「二大政党」下の国会!?


 菅改造内閣の幕開けとなった臨時国会。衆院本会議の状況は異例でした。

 7日。尖閣諸島の領有問題について日本共産党の志位和夫委員長が、「歴代政府が本腰を入れて日本の領有の正当性を主張してきたとはいえない」と批判すると、民主党席から拍手が送られます。

 今回の中国漁船衝突事件をめぐり民主党政権が、「領有の大義を理を尽くして主張する外交活動を行っていない」とのべると、今度は自民党席から拍手が起こったのです。

一番わいたのは

 民主、自民を問わず議場が一番わいたのは次のくだりでした。

 「日本共産党は過去の日本による侵略戦争や植民地支配に最も厳しく反対してきた政党ですが、日本による尖閣諸島の領有は、日清戦争による侵略とはまったく性格が異なる正当な行為であり、(日清戦争で日本が不当に奪ったという)中国側の主張が成り立たないのは明りょうです」

 政府も各党も尖閣諸島は「日本固有の領土」だとはいうものの、根拠を示して正当性を主張したのは、日本共産党だけだったのです。

 ある閣僚経験者は、「(志位質問に)大変感動した。大変きっぱりした態度だと思います」と感想を寄せました。野党の古参議員も「(日清戦争の)下関条約を深く検討した結果がよく分かった。政権を担っていた自民党がやらなければならなかったことだ」。

 これに対して菅首相は、領有の正当性を示す歴史的経緯は認めたものの、これまで「中国に明確に伝えてきた」と事実をねじまげ、歴代政権の対応を正当化しました。

 自民党は、「アマチュア外交」(谷垣禎一総裁)と菅内閣を非難したものの、取り上げるのは船長釈放をめぐる責任問題だけでした。

違いがないので

 民主、自民が同じ立場に立っていることは消費税増税でも―。

 自民党の谷垣総裁が「政府は、お得意の抱きつき戦術で、わが党と同様の財政健全化目標を示したものの、消費税を含む税制抜本改革に対するスタンスがあいまいだ」とのべ、消費税増税を明確にするよう要求。(6日)

 菅首相は「基本的な考え方については問題意識を共有している」「社会保障改革の全体像と消費税を含む税制全体の議論を一体的に行ってまいりたい」と応じました。

 違いがないので際立ったのは、中身のない、言葉だけの“応酬”です。

 6日の衆院本会議では自民党の稲田朋美議員が、菅首相を「まぬけ」「卑(ひ)怯(きょう)者内閣」と口を極めて非難。菅首相も「私も野党時代、かなり厳しい言葉を使っていたが、これほど口汚い言葉は使わなかったつもりだ」と応酬しました。

ファッション誌

 蓮舫行政刷新相が国会内でファッション雑誌の取材であることを隠して写真撮影した問題では、自民の片山さつき参院議員が「事業仕分けをやった方が1着数十万円のドレスを取っ換え引っ換え着ている」と皮肉りました。しかし、片山氏も国会内で雑誌撮影を行ったことが判明。「私は大臣でなかった」と苦しい釈明をし、失笑を買いました。

 汚い言葉とパフォーマンスが横行するのが「二大政党」下での国会なのか。国民の立場にたった実のある論戦ができる党はどこなのかが問われています。





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