
2010年10月9日(土)「しんぶん赤旗」
陸自戦車が公道走行
未明の帯広 「生活の場だ」住民抗議
![]() (写真)道道151号を自走する90式戦車と抗議する住民=8日未明、北海道帯広市 |
北海道帯広市で8日未明、陸上自衛隊第5旅団が90式戦車による公道での自走訓練を強行しました。31日におこなう同旅団の創立6周年記念行事にあわせたもので、6年連続の実施。住民は「公道での訓練はやめよ」と抗議しました。
訓練は、鹿追町の鹿追駐屯地から帯広駐屯地までの国道・道道・市道を90式戦車などが自走するもの。90式戦車の重量は約50トンにも及びます。
有事法制反対十勝連絡会のメンバーら約30人が、帯広駐屯地に近い道道151号の交差点付近で抗議行動をおこないました。
午前1時43分ころ、低い音を響かせながら1両目の90式戦車が同地点を通過。ジープなどに誘導されながら、午前1時51分ころまでに90式戦車3両と、90式戦車回収車1両が自走しました。
7両の装輪車両も走行しましたが、同連絡会によると今回が初めて。
交差点付近の開西橋では、90式戦車が橋を渡る際、自衛隊の誘導員が一般車両の通行を規制。誘導員の男性は「橋の重量制限の関係で、戦車以外は止めろと言われています」と語りました。
同旅団や帯広市などに訓練中止を申し入れた帯広平和委員会の藤岡博史事務局長(62)は「訓練の強行は許せない。生活の場での訓練はやめてほしい」と話していました。
90式戦車 ソ連軍による北海道上陸侵攻を想定して開発された戦車。1両約50トンと日本の国道の重量制限(40トン)を上回り、国内の道路や橋を移動できるのかがたびたび問題になりました。実際に配備が始まったのは、ソ連が崩壊した1991年。その後も2009年までに341両を調達、その費用は約3000億円。
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