2010年10月9日(土)「しんぶん赤旗」

イスラエル入植拡大過熱に

国際的批判高まる


 【カイロ=伴安弘】イスラエルによるパレスチナ・ヨルダン川西岸での入植拡大が堰(せき)を切ったように進もうとしています。これに対し、国際的批判が強まっています。

 同時に、入植拡大で危ぶまれている中東和平直接交渉継続への対応で、パレスチナ側への譲歩・圧力を優先する米国の姿勢にも苦言が出ています。

 エジプト紙アルアハラム週間版最新号(9月30〜10月6日)は「建設フィーバー」の見出しで、9月26日の入植拡大停止の打ち止めに伴う西岸でのユダヤ人住宅建設許可を祝う「熱狂的式典」のもようを伝えました。

 「式典は数時間続いた。入植者のリーダーと政府高官の演説はブルドーザーやコンクリートミキサーなどの建設用機材の前で行われ、数千のアドバルーンが打ち上げられた。それは多くの入植者が住宅建設を始めることを意味している」

 入植者のリーダーによると、「数万の単位」の入植者が新しい道路や施設を建設する意向です。同紙は「それはパレスチナ人のかなりの土地を接収することになる」と指摘しています。

 アラブ諸国は入植地拡大の停止をそろって要求し、米国や欧州連合(EU)も同様の立場をとっています。しかし、米国の姿勢に対しては不十分だとの声が出ています。

 アラブ連盟のムーサ事務局長は、米国がイスラエルに断固とした立場を示していないと批判。アラブ連盟を通じてパレスチナ指導部に圧力をかけようとしていることに対し、アルアハラム紙(日刊)とのインタビューで「イスラエルが不法な入植活動を行い、アラブ(パレスチナ)の領土を盗みとっている中で、アラブ側にいっそうの譲歩を求めることは非論理的だ」と批判しています。





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