2010年10月8日(金)「しんぶん赤旗」
アフガン政権 タリバンと停戦交渉か
米国「和解プロセス支持」
米紙報道
【ワシントン=小林俊哉】6日付の米紙ワシントン・ポストは、アフガニスタンのカルザイ政権と反政府勢力タリバンが、停戦合意に向けて秘密裏に「ハイレベル交渉」を始めていると報じました。
同紙は、アフガンとアラブ筋の話として、交渉はまだ「予備的性格」のものだとしています。一方で今回の交渉で初めて、タリバンの最高指導者オマル師やパキスタン南部クエッタに拠点を置くタリバン指導部が、交渉団に代表権を付与していると報じています。
これまでも、サウジアラビアの仲介によって、アフガン政府とタリバン側の会合はありましたが、1年以上前に成果なく終わっているとされていました。
オマル師側は、これまで、すべての外国軍が撤退するまでは、交渉は不可能との立場を表明してきました。
同紙は欧州筋の話として、アフガンでの軍事作戦が予期どおりにすすまないため、オバマ政権が交渉に否定的な従来の態度を今夏に変更し、カルザイ政権とタリバンとの交渉を「完全支持」する方向に傾いているとの分析を報じています。
米国務省のクローリー次官補(広報担当)は6日の記者会見で、「何度も表明しているように、われわれは、アフガン政府が率いる和解のプロセスを支持している」と主張。タリバンが和解の相手となる条件として、暴力を放棄すること、国際テロ組織アルカイダとの結びつきを絶つこと、アフガン憲法を支持することなどが基準となると述べました。