2010年10月6日(水)「しんぶん赤旗」
「思いやり予算」言葉古い
日本負担増額求める
米外交当局者
来年3月に期限切れを迎える在日米軍「思いやり予算」特別協定の日米実務者協議が行われているなか、都内で4日に行われたセミナーで、米外交当局者は同協議について触れ、「『思いやり予算』という言葉は古い」と述べ、「思いやり予算」を含めた在日米軍駐留経費の日本側負担(ホストネーションサポート=HNS)の増額を求める意向を示しました。
同当局者は、「米軍の駐留経費が2003年から増えているが、同盟関係にある日本のHNSは15%減り、防衛予算もGDP(国内総生産)比で0・9%以下だ」と指摘。さらに、「HNSは世界で最も能力のある米軍を日本に駐留させることで地域の平和と安定に貢献する日米共同の投資だ」と述べ、“日本防衛”の枠組みを大きく超えた地球規模の同盟を維持するためのものであるとの考えを示しました。
また、「『思いやり予算』は日本経済に還元されている」と従来の米側の主張を行い、「新協定の協議が大事だ」と強調しました。
しかし、在日米軍駐留経費に在日米軍再編経費などを加えた在日米軍関係経費の総額は今年初めて7000億円を突破しており、年々増額傾向にあります。
「思いやり予算」という通称について、9月29日にも同様に、米国務省高官がワシントンで、「時代遅れで古い表現だ」と不快感を表しています。