2010年10月3日(日)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 ロッキード事件にリクルート事件。ライブドア事件や、小沢一郎氏の政治団体の献金疑惑もありました▼大がかりな脱税や企業犯罪の捜査は、法律や会計に通じていないとむずかしい。政治家や高級官僚の汚職の摘発も、相手が相手だけに警察の手に負えないところがあります。そこで、初めから検察のお出ましです。特捜です▼検察が東京・大阪・名古屋におく特別捜査部、つまり特捜。彼らえりすぐり集団の部長が身内の検察に逮捕されるありさまを、誰が予想したでしょう。証拠の情報をわざと書き換えたと疑われる部下。彼の行いをもみ消した疑いで捕まった大阪地検特捜部長…▼昔、警察と検察が対立する事件がありました。1953年、電器店主が殺された徳島ラジオ商事件です。警察は、外の人間の仕業とつきとめます。ところが検察は、被害者の妻を逮捕します。富士茂子さん。実は検察が、電器店の店員にうその証言を強い、彼女を犯人に仕立てたのでした▼事件から32年、富士さんの死後に彼女の無実が決まります。その間、事件の現場にいた娘さんは、裁判でいいました。「私は裁判というものを信じていません」。いくら涙ながらに母の無実を証言しても、とりあってくれなかったから▼無実につながる証拠を隠し、また証拠もないのに罪をかぶせ、結果、裁判への信頼を損なわせてきた検察。つけが回り、いま当の検察の信頼が失われています。今度の事件の真相を明かし、洗いざらい検察のあり方を問い直すときです。





もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp