2010年10月2日(土)「しんぶん赤旗」
二転三転の熱戦制す
新「囲碁新人王」の白石三段
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1日の第35期囲碁新人王戦(しんぶん赤旗主催)決勝3番勝負第3局は握って白石三段の先番で始まりました。立ち会いの小島高穂九段が「序盤からたたかいに終始し、決勝戦にふさわしい碁」と語るように、形勢が二転三転する熱戦でした。
黒7の両ガカリから左上でたたかいがおこりました。
白20の大ゲイマに「あやしげな手だな。ただ両者元気があっていい」と小島九段。黒21から23のツギを打って、先手で上辺に黒25ツケ。白26のハネで昼食休憩に入りました。消費時間は黒1時間9分、白36分。両者慎重な打ち回しで、決戦にかける気合をうかがわせます。
昼食後も左上でのねじり合いのたたかいがつづきましたが、黒43からは左上を保留し右上にたたかいが移りました。
記者室では三谷六段の白58、60のツケ切りを見て「厳しい好手。一局のハイライトか」の声があがりましたが、「(白74以下、右上を)カツギ出したのが疑問手」とされました。白石三段は取られていたはずの上辺の黒石を生還させ、さらに右辺の黒石も助け、形勢は一気に黒優勢になりました。
三谷六段は昨年に続き2度目の決勝3番勝負でしたが、雪辱を果たせず、涙をのみました。
三谷六段は「最初で悪くしてしまった。全力を尽くしたが力が足らなかった。また出直します」と話しました。
白石三段は「難しい碁だと思ったが、中央のたたかいでよくなった。第1局の内容が悪かったので、負けても内容のある碁を打とうと思いました」と振り返りました。
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