2010年9月29日(水)「しんぶん赤旗」
大気汚染被害者 増加止まらず
新救済制度創設を
公害弁連・患者団体が訴え
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全国公害弁護団連絡会議(公害弁連)と全国公害患者の会連合会は28日、環境省で記者会見し、自治体が独自に実施している大気汚染被害者への医療費救済制度(成人)の適用者が東京都で5万人を超え、現在も増え続けていることを明らかにし、国にたいして大気汚染公害被害者にたいする新たな救済制度の創設などを訴えました。
記者会見したのは、公害弁連の篠原義仁・「新たな救済制度」をめざす各界懇談会代表と、全国公害患者の会連合会の大場泉太郎事務局長、東京大気汚染公害裁判原告団の石川牧子事務局長ら。
篠原代表は、東京、川崎など全国5地域で、国・自治体や自動車メーカーの加害責任が明らかになっているにもかかわらず、国が1988年以降新たな大気汚染被害者の救済を打ち切ったままでいることを批判。(1)大気汚染被害者への医療費救済制度を創設すること(2)道路沿道など汚染が激しい地域は「公害兼法被害補償法」と同様の補償制度を創設すること―が、いま国に求められていると強調しました。
全国公害患者の会連合会などが、文部省の調査でも子どものぜんそく患者がこの10年間で2倍以上に増加しているとして、新たな救済制度を求める請願署名などの全国的な運動にとりくんでいくことを明らかにしました。
石川氏は、「公害被害者が安心して頼れる制度を一日も早く創設して、安心して生活したいというのが何よりの願い。国に訴えていきたい」と語りました。