2010年9月29日(水)「しんぶん赤旗」

与党過半数 「重要な勝利」

ベネズエラ総選挙 チャベス氏が会見


 【カラカス=菅原啓】南米ベネズエラのチャベス大統領は27日、前日実施された国会議員選で政権与党が単独で過半数を確保したことを民主的な憲法にもとづく「新しい歴史的な事業を進めるうえできわめて重要な勝利だ」と強調しました。

 同大統領が外国メディアとの会見で発表した選挙結果によると、与党・ベネズエラ統一社会主義党(PSUV)は定数165のうち97議席を獲得。選挙連合を組んだベネズエラ共産党の1議席を加えて与党勢力は議席占有率で59%に達しました。

 一方、財界や米国の支援を受けた右派勢力などを結集した野党連合・民主統一同盟(MUD)は大方の予想を超える65議席を獲得しました。チャベス政権の運営のあり方を批判して与党から野党に転じたものの、社会主義を掲げ、MUDとは距離を置く「皆のための祖国党(PPT)」が2議席を確保しています。

 MUDのアベレド執行書記は27日未明の会見で、同連合の全国の得票合計が52%に達したと指摘し、MUDこそが「多数派」となったと主張していました。

 チャベス大統領は、これにたいし、MUDは同大統領を一時拘束したクーデター事件を支持し、いまだにその非を認めない「極右勢力」が中核を担っていると説明。52%という数字は、MUDとの協力を拒否しているPPTの得票を勝手に自らの得票に加えて算出したものだと指摘し、与党連合の得票合計は542万票で、MUDよりも10万票余り多いことを明らかにしました。

 大統領はまた、全国24州(首都区カラカス含む)のうち、獲得議席数で与党勢力が野党側を上回った州は18州にのぼることもあげ、MUDにたいし、与党の勝利を認めるよう呼びかけました。

 野党が一定の勢力を占めた新国会への対応を問われた大統領は、与党が過半数を占めており、大きな問題はないが、必要な場合にはPPTにも協力を呼びかける考えを示しました。





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