2010年9月29日(水)「しんぶん赤旗」

「逮捕当然」故意を強調

参院外交防衛委で前原外相


 参院外交防衛委員会は28日、沖縄県・尖閣諸島での海上保安庁巡視船と中国船の衝突事件に関して閉会中審査を行いました。このなかで前原誠司外相は中国船が故意に「巡視船に体当たりしてきた悪質な事案であり、公務執行妨害での逮捕は当然」との見方を示しました。

 前原氏は「故意でなくミスで当たってきた場合、衝突直後にエンジンを逆回転させるような措置を取るが、そういった形跡はなかった」として、“故意”だったことを強調。24日に船長の処分保留を決定した那覇地検は「とっさにとった行為で計画性はない」と説明しており、前原氏の答弁と微妙に食い違っています。

 ただ、釈放したことについては、「司法の判断であって外務省は立ち入ることではない」とのべ、政治介入を否定しました。小川敏夫法務副大臣も、「(那覇地検が)外交判断をしたわけではない。刑事訴訟法に基づき、社会で起きている事象を考慮して判断したもの。地検の個々の判断で法務省は責任を負わない」とのべ、政府は関与していないことを強調しました。

 一方で小川氏は、那覇地検が船長釈放決定前日の23日、外務省職員から意見聴取していた事実を認めました。松本剛明外務副大臣は、外務省職員の地検派遣は22日夜、官邸で瀧野欣彌官房副長官が関係省庁と協議の上、決めたことを明らかにしました。

 前原外相は、尖閣問題をめぐる政府の姿勢について(1)東シナ海には領土問題は存在しない(2)尖閣諸島は日本固有の領土(3)主権を守るのは当然で実効支配の継続は必要―との考えを改めて示し、衝突事件が再度起きた場合、今回と同様の対応をとることを表明しました。





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