2010年9月29日(水)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 ミンサー織は、沖縄の伝統工芸です。木綿の糸を藍(あい)で染め、二つの模様を互い違いに織ります▼一つは、四角形を五つ組み合わせる模様です。人が両足を開いて万歳しているように、真ん中、上下の左右に。もう一つは、四角形が四つです。空(くう)の真ん中の上下左右に一つずつ。男女の仲が「いつ(五)の世(四)までも末永く」という願いを込めています▼沖縄の5人組バンド「HY」のCDに、ミンサー織の模様をあしらうしおりが入っていました。「いつの世も変わらぬ愛を」と書き添えて。沖縄の知人から、「HYの歌『時をこえ』が大評判」と聞きました▼「時をこえ」は、「昔の話を聞いたのさ」で始まります。自由な恋も許されず泣く泣く嫁いだおばぁー。雨のように降る戦の火の粉の中を走ったおばぁー。その時代を語るおじぃーの、ほおを伝う涙…。HYの仲宗根泉さんが、おばぁー、おじぃーの話をもとに書き上げた詞は、人懐こい沖縄調の旋律とともに、自然に聴き手の心に染み入ってきます▼HYのバンド名は、彼らの地元、うるま市の東屋慶名(HIGASHI YAKENA)にちなみます。沖縄の有線放送で、一日中流されている「時をこえ」。しかし、きょうHYは徳島で歌っているでしょう。全国162カ所の演奏旅行の途中です▼「時をこえ」を携え、来月には、奈良の東大寺、北海道、東北、東京も巡ります。“いつの世も変わらぬ愛を”の思いと「命(ぬち)どぅ宝」の言葉を、「届けなきゃあなたへ」(「時をこえ」)と。





もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp