2010年9月29日(水)「しんぶん赤旗」
豊かな海壊す、辺野古新基地
日本自然保護協会が警告
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生物多様性条約締約国会議COP10(10月18日から)の開催を控え、日本自然保護協会は28日、米軍新基地計画で埋め立てが計画されている沖縄県名護市の辺野古周辺海域の緊急合同調査リポート(速報)を発表し、新基地建設が同海域の生物多様性に多大な影響を与えると警告しました。
“COP10議長国なのに”
環境省で記者会見した大野正人・保護プロジェクト部長は、同海域がジュゴンだけでなく海草も場葉上性生物の貝類のクサイロカノコ(希少種)や生態がよくわかっていないウネウキツボなどの生息域となっていると指摘。「(新基地計画の)日米専門家検討会合の案でも、良好な海草も場が埋め立てによって消失することに何ら変わりがないことがわかる」と述べ、「日本政府がCOP10の議長国として、生物多様性を壊そうとしていいのか」と訴えました。
沖縄県で環境教育などをおこなう「しかたに自然案内」の鹿谷麻夕(まゆ)さんは、沖縄県のレッドデータブックで準絶滅危ぐ種のクサイロカノコの生息も確認され、「海草と貝類がいろいろ組み合わせで生息していることが多様性をもたらしている」と話しました。
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同調査はことし7月24、25の両日、同協会と「しかたに自然案内」、北限のジュゴンを見守る会「チーム・ザン」の3団体共同で、調査経験のある市民ボランティアのべ39人が参加して実施。同海域の海草調査のほかジュゴンのはみ跡調査や今回初めて実施した葉上性貝類の生息調査、底生生物の生息調査を行いました。