2010年9月27日(月)「しんぶん赤旗」

環境と文学考える

国際ペン総会が開会

東京大会


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(写真)井上ひさし作「水の手紙」の群読劇=26日、東京・早稲田大学大隈講堂

 第76回国際ペン東京大会2010(23〜30日)は、25日までの文学フォーラム(日本ペンクラブ主催)に続き、26日、国際ペン総会開会式を早稲田大学で開催しました。

 大会テーマ「環境と文学―いま、何を書くか」の基調となる、井上ひさし日本ペンクラブ前会長作の群読劇「水の手紙」を公演。村から水が消え人が消えたウズベキスタン、コロラド川の河口が干上がったメキシコ、国土が海に沈む危機にさらされるモルディブ、遠くの井戸まで水をくみに行かなければならないアフリカなど、世界各地の環境破壊と水の問題、貧困と格差の問題を告発し、「水はめぐる、世界をめぐる。水は一つ、世界は一つ」と語りかけます。

 開会あいさつに立った日本ペンクラブ会長・阿刀田高氏は「文学者は、現実を直視する力、未来を見通す先見性を駆使して、地球環境の悪化、言論表現が抑圧される環境、そして戦争に対して、警鐘を鳴らさなければならない」と提起。国際ペン会長のジョン・ラルストン・サウル氏(カナダ)は「この東京で高々と声を上げて、言葉の力で人々に行動をもたらし、変化をつくり出そう」と呼びかけました。

 奄美高校生による太鼓演奏「島に生きる」に続き、カナダを代表する女性作家のマーガレット・アトウッド氏、中国語で創作する作家として初のノーベル文学賞を受賞した高行健氏(パリ在住)が基調講演を行いました。

 27日から、「越境・環境・女性」「言語という環境」「本の未来」など各種セミナーが、早稲田大学と京王プラザホテル(東京・新宿区)で開催予定です。





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