2010年9月25日(土)「しんぶん赤旗」
年金改革抗議300万人
政府と組合 綱引き続く
フランス
年金受給開始のめどとなる法定退職年齢の引き上げを柱とする政府の年金改革法案に反対する抗議行動が23日、フランス各地で取り組まれました。組合側は全国で約300万人が参加したと発表しましたが、警察発表は99万7000人。前回(7日)の参加者数(組合発表約270万人、警察発表112万人)と対比させ、組合・政府がそれぞれ「勝利宣言」する形となりました。
年金改革を担当するボルト労働相は「参加者が減ったのは、政府案に国民が納得したこともある」と分析。「組合の言い分は聞くが、改革が実現できなければ、年金は支払えない」と退職年齢引き上げは譲れないとの構え。これに対し組合側は「年金財政について、退職年齢引き上げ以外の選択肢を検討するなど、政府が真の議論を受け入れなければ大規模な社会的危機が起こる」(労働総同盟〈CGT〉のティボー書記長)と政府に警告しています。
21日に発表された世論調査では、政府が目指す退職年齢の2歳引き上げに回答者の70%が反対し、63%が、年金に関する国民的議論を政府が開始することを求めています。
法案は国民議会(下院)で可決済みで、来月5日から元老院(上院)で審議されます。
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