2010年9月25日(土)「しんぶん赤旗」
主張
日米首脳会談
沖縄負担軽減の言葉が空しい
菅直人首相がオバマ米大統領と、6月に首相に就任してから2度目の日米首脳会談を行いました。最大の懸案は、沖縄の米海兵隊普天間基地の問題です。
沖縄県民は普天間基地の閉鎖・撤去を要求し、名護市辺野古などへの県内「移設」絶対反対を政府に求めています。先日の名護市議選で辺野古「移設」反対派が圧勝したことはこの県民の総意に変わりがないどころか、さらに強まっていることを示すものです。県民の総意に背を向けたまま、日米合意の実行を誓い、沖縄の「負担軽減」を口にするなど、菅首相の態度は空(むな)しい限りです。
無視された県民の願い
首脳会談で菅首相は普天間基地問題について、「日米合意に基づいて前に進めていきたい」とのべるとともに、「沖縄との関係など難しい課題もあり、沖縄の負担軽減に向け努力していきたい」とオバマ大統領に表明しました。オバマ大統領も「難しい問題があることは理解している」とのべたといわれます。
両首脳が「難しい課題」とのべたのは、県民が辺野古「移設」を決めた「日米合意」の白紙撤回を要求し、「移設」反対の意思を強めている実態を無視できなくなっているためなのは明らかです。
菅首相が「基地負担の軽減」をもちだし、辺野古「移設」を進めようとする方針を確認したことは重大です。「基地負担の軽減」は、沖縄県に米軍基地が集中する状況を県民に認めさせるために、政府が使ってきたごまかしです。政府は辺野古での新基地建設のためにもごまかしの手法を駆使してきました。辺野古に新基地をつくれば本島南部の一部の基地を撤去するからというのがその口実です。
しかし、これまでの普天間基地よりはるかに強大な新基地を押し付けておいて、「負担軽減」などというごまかしは許されません。新基地に配備される大型の輸送機オスプレイはヘリより大きく、爆音被害と墜落の恐怖を名護市民と周辺住民に押し付けることになります。2本の滑走路をVの字につくる現行のV字案も、菅首相がもちだした滑走路1本のI字案も、辺野古と大浦湾を埋め立て、海と生物の多様性を破壊します。
「基地負担の軽減」というならまずこの辺野古「移設」案を断念すべきです。14年間、県民が新基地のための杭(くい)1本も打たせてこなかった事実をみてもごまかしの手法は通用しません。菅首相は県民から教訓を学ぶべきです。菅首相が、米海兵隊は日本を守る「抑止力」だとごまかして沖縄の米軍基地が必要だといい辺野古「移設」を実現することを基本にしながら、「基地負担の軽減」を口にしてもそれは通りません。
日米合意を撤回せよ
菅首相も前原誠司外相も口を開けば県民の「理解を求めていく」といいます。しかし日本政府が説得すべき相手はアメリカです。太平洋戦争末期に沖縄県民から土地を奪い普天間基地をつくったのはアメリカです。県民総意をふまえるならアメリカに普天間基地を返せというのが当然の筋です。
菅首相の責任は重大です。「日米合意」を進める一方、県民の「理解」を口にするのは成り立ちません。本当に県民の理解を得るつもりがあるなら、「日米合意」を直ちに白紙撤回すべきです。