2010年9月24日(金)「しんぶん赤旗」

“戦争・貧困も環境破壊”

東京で国際ペン大会開幕


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(写真)国際ペン東京大会文学フォーラムの開会式で横笛と小鼓、画像付で阿刀田高氏作の「闇彦」を朗読する元NHKキャスターの松平定知氏=23日、東京・早稲田大学大隈講堂

 第76回国際ペン東京大会が23日、東京・新宿区の早稲田大学で開会しました。大会テーマは「環境と文学―いま、何を書くか―」。25日までは日本ペンクラブ主催の文学フォーラム(朗読劇と作家のスピーチ)、26〜30日まで国際ペン総会と各種セミナーが同大学と京王プラザホテル(東京・新宿区)で開催されます。同大会が東京で開かれるのは26年ぶり。世界約80カ国から作家、詩人、文学関係者など約250人を招き、5000人以上が参加する見通しです。

 文学フォーラム開会式であいさつに立った日本ペンクラブ副会長の作家・下重暁子氏は、「戦争や貧困は環境破壊の最たるもの。女性やマイノリティーの国々の立場から世界の問題を考えることが重要」と指摘。同フォーラムの総合プロデューサーを務めた作家の吉岡忍氏は、「現代にあふれている情報は人を動かさない。きょうの舞台で、生身で語り、生身で受け取る一回性の文学を体験してほしい」と語りました。

 日本ペンクラブ会長・阿刀田高氏の小説『闇彦』、アメリカの作家サラ・パレツキー氏のエッセー『沈黙の時代のなかで書く』が音楽の演奏、映像とともに朗読されました。阿刀田氏は「物語の原点は、死者を語ることで永遠の命を得ようとした人間の知恵ではないか、ということをモチーフにした作品」と自作を語りました。

 その他、文学フォーラムでは、ナイジェリア出身の女性作家、チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ氏の『なにかが首のまわりに』(24日)、シリアの女性作家、サルワ・アル・ネイミ氏の『蜜の証拠』(25日)などが紹介されます。


 国際ペン 第1次世界大戦後、言論表現の自由と、国境を超えた相互理解・連帯を掲げ1921年、ロンドンで設立。現在104カ国に145センターがあります。日本ペンクラブは、国際ペンの日本センターとして1935年創設。初代会長は島崎藤村。





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