2010年9月23日(木)「しんぶん赤旗」

公務員4万人デモ

大幅賃下げ反対 交渉継続求める

チェコ


 東欧チェコの首都プラハで21日、賃金の大幅カットに反対して、病院職員、警察官、消防士などの公務員約4万人が抗議デモを行いました。欧州では各国とも緊縮政策をとっており、欧州労連や各国労組は今月29日の欧州統一行動を中心に抗議デモを繰り広げています。(片岡正明)


 チェコは5月の下院議員選挙で財政問題を争点とした中道右派が勝利し、政権を維持。市民民主党のネチャス氏が首相となった政権は、今年1690億コルナ(約7734億円)、国内総生産(GDP)比5・3%と史上最悪となった財政赤字を4・6%に引き下げる緊縮政策を打ち出しました。その一環として、公務員の賃金10%削減を打ち出し、労組側と交渉していました。

 労組側は、政府側の計画する賃金切り下げは10%にとどまらず、職種によっては43%にもなると拒否しました。労組側は政府の交渉打ち切り方針に対し、交渉継続を求め、この日のデモを実施。病院職員の組合などはさらにストを構えています。

 ラジオ・プラハによると、デモの参加者は「節約には賛成だが、絞め殺しはだめだ」「あなた方を救助する消防士が消されようとしている」などの横断幕やプラカードを掲げました。デモに参加した消防士は「10%の賃金カットはすぐに20、30%の賃金カットにつながる。僕は単身だからいいが、家族もちで住宅ローンを抱える人はどうなる」と怒りの声をぶつけました。

 チェコ政府は2013年までに、欧州単一通貨ユーロ加盟の基準となる財政赤字のGDP比3%をめざし、年金や社会福祉の支出削減という「改革」も計画しています。





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