2010年9月22日(水)「しんぶん赤旗」
“貧困の半減は可能”
国連MDGサミット開幕
事務総長強調
【ニューヨーク=小林俊哉】2015年を達成期限として世界の極端な貧困の半減などを定めた国連ミレニアム開発目標(MDG)の取り組みについて話し合う国連MDGサミットが20日、ニューヨークの国連本部で開幕しました。22日までの予定。潘基文(パンギムン)事務総長は開幕演説で「懐疑論はあるが、達成は可能だ」と強調し、各国指導者にいっそうの努力を促しました。(関連記事)
サミットには約140カ国の首脳が参加。初日の20日はフランスのサルコジ大統領やスペインのサパテロ首相が演説し、22日にはオバマ大統領、菅直人首相らの演説が予定されています。
達成期限が5年後に迫る中でMDGが掲げた8目標の大半に黄信号がともっています。08年の世界的な金融・経済危機で先進国から発展途上国への援助が滞っていることが背景にあります。
潘氏は「経済的危機であっても、貧しい人たちのための予算を削るべきではない」と、先進国の責任を指摘しました。
MDGは、2000年9月の国連ミレニアム・サミットで採択した「国連ミレニアム宣言」を基に、同年末に制定されたもので、1990年を基準に1日1ドル未満で暮らす極端な貧困人口を半減することや、すべての子どもの初等教育への就学、5歳未満児の死亡率を3分の1に削減することなど、8目標の下に21項目の具体的な目標を達成することを定めています。