2010年9月19日(日)「しんぶん赤旗」

都会のスズメは少子化?

暮らしにくいのかな

日本鳥学会で研究報告


 都市でスズメが減少しているのは、スズメの少子化が原因となっている可能性がある―。東邦大学(千葉県習志野市)で開かれている日本鳥学会で18日、上田恵介・立教大学教授、三上修・岩手医科大学助教たちの研究グループが報告しました。

 近年、日本に生息するスズメの数が減少していることが、複数の調査から明らかになっています。しかし、その原因はまだわかっていません。

 研究グループは、NPO法人バードリサーチの協力を得て、全国で346組のスズメの親子連れを観察、1つがいのスズメが連れているひなの数を調査しました。

 調査の結果、都市の中心にある商業地では平均1・41羽だったのに対し、住宅地は同1・79羽、農村地で同2・03羽でした。商業地では農村地に比べ、1つがいから巣立ちするひなが少ないことが分かりました。研究グループは、都市部では餌が得られる場所が営巣地から遠かったり餌が少なかったりする餌不足や、営巣できる場所が狭いこと、巣材が少ないなど営巣環境が悪いことが関係しているとみています。

 かつては、4〜5羽のひなを育てているつがいも少なくなかったといいます。今回そうしたつがいは農村地でもほとんどみられなかったことから、少子化は日本全体のスズメの減少にも関与しているかもしれない、と研究グループは考えています。

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