2010年9月19日(日)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 きょうからの連休、各地で稲刈りもたけなわです。人の命をつなぐ、ゆたかな実り。もちろん、農家を弱らせる米価の落ち込みは困るけれど▼相撲の土俵の俵はもともと、米俵でつくられました。大相撲の本場所初日の前日、土俵祭があります。天地が永遠に続く「天長地久」、ほどよい風雨、「五穀豊穣(ほうじょう)」、そして土俵上の無事を祈願する行事です▼日本の相撲のおこりは、農作物の収穫をうらなう古代の村の儀式でした。稲穂がたわわに実る折も折、なんとめでたい土俵の快挙でしょう。69代横綱・白鵬、ついに54連勝に到達。千代の富士の53連勝記録を、22年ぶりに破りました▼本名ムンフバト・ダバジャルガル。モンゴル生まれの25歳。ふところ深く、しなやかな動作に力強い技。抜きん出た安定感は、体つきだけではありません。精神の落ち着きぶり、集中力の強さが光ります▼千代の富士の53連勝は、3横綱が競い合う中での大記録でした。白鵬はいま、一人横綱。しかし、だからこその重圧を受け止めながら土俵にあがらなくてはなりません。「もともと負けられない地位だから」と。横綱の使命感を一身に背負っての偉業達成です▼白鵬の行く手には、双葉山の空前絶後の記録が待つだけです。1936年から39年の間の、年に1月の春場所と5月の夏場所しかなかった時代の69連勝です。谷風の63連勝を、150年ぶりに抜いたのでした。「相撲は体で覚え心で悟れ」と教えた双葉山。白鵬関も、その意味は分かっているでしょう。





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