2010年9月19日(日)「しんぶん赤旗」

あすから国連MDGサミット

貧困・飢餓の半減へ

目標達成 問われる政治的意思


 【ワシントン=小林俊哉】国連ミレニアム開発目標(MDG)の達成度を再検討する首脳会議が20日からニューヨークの国連本部で開かれます。22日までの日程で、各国首脳約140人が参加予定。貧困や飢餓人口の半減などを2015年までに達成するとしたMDGの進行状況を点検し、新しい行動計画を定めることが目的です。


 国連によると、貧困削減は達成に向けて順調なものの、ほかの目標は達成できない恐れがあるといいます。

 今回のサミットを呼びかけた潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は、目標達成にむけ、各国指導者に政治的機運をいっそう高めるよう要求。目標達成のための財源はあるとして、政治的意思の問題だと強調しています。

 目標達成に向けた動きでは、とくにサハラ以南のアフリカ諸国などで、困難が目立ちます。背景には、金融・経済危機などの影響で、先進国による途上国への支援拠出額が目標額を大幅に下回っていることがあります。16日に国連が発表した報告によると、先進国が05年に約束した政府開発援助(ODA)の増額も、1457億ドル(1ドル=約86円)の目標額に対し、実績は1196億ドルにとどまりました。

 貧困や開発問題に取り組む非政府組織(NGO)のオックスファムは、極度の貧困の解消は、1510億ドルあれば05年までに解消できたと主張。この金額は05年に世界が靴の消費に使った金額(1980億ドル)より少ないと試算しています。


 ミレニアム開発目標 2000年9月の国連ミレニアム総会の宣言を受けて同年末に制定。1990年比で2015年までに(1)1日1ドル未満で暮らす極貧層、飢餓人口をそれぞれ半減(2)すべての子どもに初等教育修了を保障(3)初中等教育での性別による差別の根絶(4)5歳未満児死亡率を3分の1に削減(5)出産時の妊産婦死亡率を4分の1に削減―など、8分野にわたる21の具体的目標があります。





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