2010年9月18日(土)「しんぶん赤旗」

省エネ過大表示ただす

消費者団体シンポ 国にも対応要求


 エアコン、冷蔵庫、高効率給湯器などに使われている「ヒートポンプ」の省エネ性能が過大表示されている問題で、環境NGOや主婦連合会など消費者団体は17日、政府にたいして「徹底した調査と情報開示」と性能表示の改善を求めていくことを明らかにしました。

 同日、東京都内で開かれた「フロン対策シンポジウム」で、主婦連合会の有田芳子環境部長が、メーカーへの「公開質問状」の回答を報告。「各メーカーから誠意ある回答がなく、消費者に正しい情報を提供しているとは言い難い。消費者を欺くような工作をおこなってきた業界全体の体質が浮き彫りになった」と批判。消費者・環境市民団体が「ヒートポンプ問題連絡会」を結成して「エアコンメーカーに再質問も行い改善させていきたい」と訴えました。政府にも対応を求めました。

 同シンポジウムで基調講演した飛原英治・東京大学大学院教授は省エネ性能の過大表示問題について、政府のJIS(工業規格)で規定した評価にもとづくカタログ表示と、家庭での実際の運転状況での使用性能がかけはなれていることがわかってきたことを紹介。「JISの改定が必要」と指摘しました。

 飛原教授は、ヒートポンプに冷媒ガスとして使用されるフロンガスは、強い温室効果ガスであり、「環境中への排出量はエアコンなどの廃棄時よりも、業務や家庭での使用時が上回る」と説明。「ヒートポンプの省エネに過度に期待するのは禁物だ」と強調しました。


 ヒートポンプ パイプに流れるフロンガス(冷媒)などを加圧して温度をあげたり、減圧して温度をさげたりして、給湯や冷暖房に使用するシステム。空気中の熱を利用して、使用した電力以上の仕事をするので、エネルギー消費効率が高いとされています。省エネ性能表示が過大だったことや、冷媒のフロンガスが使用時に漏れ、温暖化を進めることになると問題になっています。





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