2010年9月16日(木)「しんぶん赤旗」

学生の就職深刻

3年目、80社受け内定なしも

“終わり見えない”


 大企業の業績は回復しても、来春卒業予定の学生や卒業後に就職できなかった学卒未就職者の就職活動は、「がんばってもがんばっても前に進まない」(23歳女子学生)状況が続いています。東京都内で開かれた合同企業説明会と就職面接会の会場で聞きました。(染矢ゆう子、岡素晴)


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(写真)合同企業説明会に参加する就職活動中の学生たち=6日、東京都新宿区

 総務省の労働力調査によると、7月における15歳から24歳の完全失業者は50万人。学卒未就職者は17万人にのぼります。

 3月に都内の私立大学を卒業した女性(22)は、家事手伝いをしながら、就職活動中。「新卒者のみ募集」の企業にも申し込んでいます。「ゼミの学生で就職したのは10人中2人です。親のコネで就職した人と教員になった人だけ。フリーターになった人が多くいます。就職活動を続けている人もいますが、就職できたという話は聞きません」

 「終わりが見えない」と話すのは、都内の私立女子大で留年して就職活動を続ける学生(23)=東京都練馬区=です。定員1名や若干名の募集に、多くの学生がつめかけているといいます。3年の夏から活動を始め、3年目の夏が過ぎました。80社受けて内定はありません。

 この学生は「年間100万円の学費を余分に払ってもらっていて、親に申し訳ない気持ちでいっぱいです」と話しました。

 札幌市から参加した男子学生(21)は、面接に進めた会社は、就職説明会で受けた2社だけ。就職情報サイトから申し込んだ20社以上の会社はすべてエントリーシート(企業が独自に作成した応募用紙)や履歴書で落とされました。「少しでも採用数を増やしてほしい」と訴えました。

 都内の私立大学に通う女子学生(22)は、大企業への就職をめざしています。「短大を卒業して中小企業に就職した友人3人が会社の倒産で仕事を失いました。そのうち2人は就職して1年以内でした。長く勤めたいから大企業に就職したいけど、厳しい」

 学生の就職支援を行っている中央大学キャリアセンターの平井裕二担当課長は「2010年度卒業予定の学生の就職活動も円高とデフレの影響で09年度から改善は見込めません」と指摘。「景気に左右されない安定した採用と卒業して数年間は新卒扱いとするよう望みます」と話します。


打開へ真剣な取り組みを

 日本共産党の宮本岳志衆院議員の話 卒業して社会人としての第一歩が失業というのはあってはならないことです。国と自治体、企業、経済界などが、この危機打開のために真剣な取り組みを行う時です。日本の雇用のあり方を非正規雇用から正規雇用に転換して、新規採用を増やすべきです。日本共産党は今年4月、新卒者の就職難打開のための提言を出し、文科大臣にも申し入れました。新規採用に積極的に取り組む企業を支援するための「新卒者雇用確保・促進法」の制定など、新卒者の雇用確保のため全力をあげます。

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