2010年9月14日(火)「しんぶん赤旗」
“輸入入れ歯 安全か”
専門家が指摘 月に数万個
保団連など主催 シンポジウム
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「知っていますか?海外歯科技工問題」と題するシンポジウムが11日夜、東京都内で開かれ、輸入入れ歯など海外歯科技工物の安全性がほとんど保証されていないことが、専門家から口々に指摘されました。全国保険医団体連合会(保団連)などが主催。約100人が参加しました。
シンポでは、歯科医師の成田博之さんや、北海道大学教授の鈴木邦明さん、同大学准教授の宇尾基弘さん、家庭栄養研究会副会長の蓮尾隆子さん、歯科技工士の新井肇さんらが報告しました。
歯科技工士法は資格のない者による歯科技工の作成を禁止。ところが、厚生労働省が2005年に出した通知は、歯科医師の責任で、歯科技工物を輸入してもいいと、お墨付きを与えました。
成田さんは「中国製歯科技工物は、日本の3分の1ぐらいの低価格。以前は公然と輸入できなかったが、通知後は、毎月推定数万個が輸入されている」と指摘。鈴木さんは「歯科技工物は食品以上に安全性が極めて重要。食品と違って口の中に固定され、影響がずっと続く」と強調。とりわけ、TBSテレビが今年2月、輸入歯科技工物から検出されたと報道したベリリウムについて、フッ素と併用されると毒性が強まるという最近の研究成果を報告しました。
シンポには、日本共産党の志位和夫委員長や市田忠義書記局長はじめ7人の国会議員や、民主党、自民党の国会議員らがメッセージを寄せました。
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