2010年9月14日(火)「しんぶん赤旗」
NAFTA(北米自由貿易協定)で農産物輸入急増
農業団体が“食料主権の危機”警告
メキシコ
【メキシコ市=菅原啓】メキシコの有力農業団体「全国農民連盟(CNC)」は12日、米国、カナダとの北米自由貿易協定(NAFTA)によって、メキシコの食料主権が深刻に脅かされていると警告する声明を発表しました。
声明は、NAFTAが発効した1994年以降の16年間で、メキシコ国内では生産、販売、輸送などあらゆる農業部門で多国籍企業の支配が強まっていると指摘しています。
NAFTAによって農産物輸入が急増した結果、トウモロコシ、コメ、大豆の輸入量が国内需要のそれぞれ33%、75%、90%に達していると報告。この3年間だけで、牛肉の輸入が4倍以上になっているなどのデータも挙げ、メキシコの食料主権が急速に脅かされていると述べています。
今回の声明は、スペインからの独立運動開始200周年(16日)の機会に発表されたもの。CNCのクルス・ロペス議長は「NAFTAは、200年前のスペイン王国の存在と同じか、それよりもひどいものだ」と述べ、NAFTA反対の立場を改めて強調しました。
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