2010年9月14日(火)「しんぶん赤旗」

トルコ改憲案承認

司法・軍の政治介入抑制

国民投票 6割が支持


 【イスタンブール=松本眞志】トルコで12日、憲法改定の是非を問う国民投票が実施され、与党・公正発展党(AKP)が提起した憲法改定案が58%の支持を獲得し、承認されました。投票率は73%でした。


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(写真)改憲の是非について投票するトルコの人たち=12日、イスタンブール(松本眞志撮影)

 提起された憲法改定案は、司法や軍の政治介入を抑え、国会や大統領の権限を強めることなど26項目。軍人も一般法廷で裁かれることになります。現憲法は1982年に軍が定めたもので、軍や司法当局に大幅な権限を与え、国民の民主的権利を制限するとされてきました。

 公正発展党のエルドアン首相は同夜、国民投票結果について、「発達した民主主義と法治国家に向けトルコは歴史的な一線を乗り越えた」と評価しました。地元紙ミリエトは「予期した以上に国民投票の結果は(改憲派にとって)望ましいものだった」と報じました。

 今回の改憲国民投票にいたる過程で、公正発展党は政治・経済改革や欧州連合(EU)加盟に道を開く政策をすすめてきました。これに対し、共和人民党(CHP)など野党は、こうした政策を批判。改憲案は司法の独立性を損ない、「イスラム主義をめざすもの」だと懸念を強めています。

 一方、欧米諸国は国民投票結果を歓迎。オバマ大統領は12日、エルドアン首相に電話をかけ、国民投票での投票率の高さが民主主義の活力を表していると評価しました。また欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会のフューレ拡大担当委員は、トルコのEU加盟に向けて「これらの改革は正しい方向への一歩」だとたたえました。





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