2010年9月10日(金)「しんぶん赤旗」
辺野古にオスプレイ
外相 “配備の可能性大”
紙議員 新基地断念迫る
岡田克也外相は9日、参院沖縄・北方特別委員会で、沖縄県名護市辺野古沿岸部に建設が計画されている米海兵隊新基地への垂直離着陸機MV22オスプレイの配備について「可能性はかなりある。あるとすれば、それを前提に飛行経路などを考える必要がある」と述べました。沖縄への配備について初めて認めるとともに、同機配備を前提にした建設計画を進める考えを示したものです。日本共産党の紙智子議員への答弁。
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岡田外相はまた、自公前政権時に名護市などが辺野古新基地の受け入れ条件として合意した、「民家上空は飛ばない」とする米軍機の飛行経路について、「米側は『合意していない』と言っている」として、無効との認識を示しました。その上で、オスプレイの配備を念頭に米側が要求している飛行経路は「(自公政権時の合意より)陸地に近い」と答え、民家付近を飛行する可能性を認めました。
辺野古の新基地建設に関し、2007年8月から環境アセスが行われていますが、オスプレイ配備を前提にした騒音予測は行っていません。
紙氏は、「オスプレイ配備なら飛行経路が変わるので、新たな環境アセスメントは必要だ」と追及。岡田外相は、「全面的(やり直し)とは考えていないが、追加調査が必要ということもある」と述べました。
紙氏は、米国ではオスプレイ配備で9年間かけて環境アセスを行った事例を示し、部分的な修正ではなく「(環境アセスの第1段階である)方法書からやり直すべきだ」と主張しました。
紙氏は、オスプレイは1991年から2000年までの間に、主な事故だけで4件発生し、30人が死亡している事実を示し、「住民が反対しているのは事故の危険や騒音の拡大による拒否感からだ」と強調しました。
紙氏は、8月31日に発表された普天間基地「移設」に関する日米の報告書で示された「V字」「I字」案ともに「ジュゴンの藻場が大幅に消失する。どちらも地元は受け入れない」と指摘。「普天間基地無条件撤去の県民の意思は変わらない。辺野古への『移設』そのものを断念すべきだ」と迫りました。
MV22オスプレイ 両翼のローター(回転翼)の向きを動かすことで、ヘリコプターのような垂直離着陸や、固定翼のプロペラ機のような飛行ができます。自力展開能力は3900キロに及びます。不安定な構造のため墜落事故を繰り返しています。