2010年9月8日(水)「しんぶん赤旗」

ガス衝突で星団誕生

電波望遠鏡がとらえた


 若い星の群れ(星団)が、ガスのかたまり同士の衝突で生まれている現場を初めてとらえた―。国立天文台は7日、野辺山45メートル電波望遠鏡による観測成果を発表しました。

 星(恒星)は水素を主成分とするガスの収縮によって形成されます。銀河系を構成する星の多くは、単独で生まれるのではなく、ガスのかたまりの中で集団で生まれることが知られています。

 観測チームは、銀河系の円盤内にある、地球からの距離が1000〜7000光年の若い星団14個を選び、それぞれの星団の母体となる高密度ガスの分布や運動を観測。その結果、4個の星団で、二つのガスのかたまりが衝突しているのを確認しました。

 星団の誕生には、超新星爆発によってガスが掃き集められたり、銀河の渦巻きにガスが衝突するなど、何らかの外的な要因が必要だと考えられてきました。外的要因がなくても、ガス同士の衝突で自発的に星団が誕生することが観測されたのは初めてだといいます。

 太陽も、星団で生まれたと考えられています。観測チームの樋口あや研究員は「ガス同士の衝突による星団形成が普遍的な現象なのか、たくさんの星団を調べたい」と話しています。

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(写真)【左3枚】ガス同士の衝突による星団形成の想像図。(上)ガスのかたまりが接近(中)衝突し始める(下)星が集団で誕生。
【右4枚】ガス同士の衝突で誕生する4個の星団。野辺山45メートル電波望遠鏡で観測したガスのかたまり(赤・青の等高線で密度を示した)と、赤外線観測による若い星の群れの画像を合成(国立天文台提供)





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