2010年9月8日(水)「しんぶん赤旗」

オーストラリア 労働党政権継続へ

下院過半数の支持を獲得


 総選挙後2週間以上にわたって政権発足ができず、こう着状態が続いていたオーストラリアで7日、労働党が下院(定数150、任期3年)の過半数の議員の支持を獲得しました。現地メディアが報じました。これによりギラード首相率いる労働党政権の継続が決まりました。(田中一郎)


 8月21日に行われた総選挙による各陣営の獲得議席は、労働党は72、保守連合(自由党、国民党)は73。両陣営とも単独で政権を担当するのに必要な下院の過半数(76議席)に達しませんでした。

 このため労働党と保守連合は、両陣営に属していない4人の無所属議員と、今回の総選挙で初の1議席を獲得した緑の党の支持を得る多数派工作を展開していました。

 このうち緑の党議員と無所属議員1人は、労働党支持をすでに表明しており、残り3人の無所属議員の動向が注目されてきました。

 7日午後に無所属議員1人が保守連合への支持を表明。その後、記者会見した2人が労働党への支持を明らかにし、労働党が76議席の支持を獲得しました。

 ギラード首相は記者会見で「今後3年間、労働党は安定し効果的で揺るぎのない政権を発足させる用意ができている」と述べました。

 労働党は2007年に保守連合から政権を奪還。以来政権を率いてきたラッド首相は支持率低迷を受け、今年6月に辞任し、ギラード氏が同国初の女性首相に就任していました。

 同氏は選挙戦の中で、同党が気候変動対策の目玉にしてきた排出権取引制度の導入延期を発表。同制度の導入に反対の保守連合に妥協的な姿勢に旧来の支持者は反発、07年の総選挙で得た83議席を大幅に減らしていました。

 総選挙と同時に実施された上院議員の改選でも、労働党と保守連合は単独過半数を獲得できませんでした。最終議席数はまだ確定していませんが、緑の党は、上院で現有5議席から9議席に躍進すると見込まれています。上院での法案通過の成否を握ることになり、同党の存在感が増すのは必至です。





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