2010年9月7日(火)「しんぶん赤旗」
きょうの潮流
小学校などの夏休みが終わり、2学期が始まって1週間。地域によっては2週間余が過ぎました。近ごろは「授業時間の確保」のため夏休みを短縮する自治体も増えています▼8月下旬に授業が始まった東京都内の小学生のお母さんは「休み明け2日目から通常の6時間授業。教室にクーラーはなく、娘は体調を崩してしまいました。学力向上のためというけど効果があるのかどうか…」と首をかしげます▼長い夏休みは子どもが成長する機会でもあります。休み中に泳げるようになって自分に自信をもち、張り切って2学期を迎えた子。授業でつまずいたところを繰り返し学習し、わかる喜びを知った子…。課題にじっくり取り組める、時間のゆとりの大切さを感じます▼一方「給食がない夏休みが怖い」という小中学生も増えているそうです。子どもを直撃する貧困。家では十分な食事がとれず給食がおもな栄養源になっているため、休み中に体重が大きく減ってしまう子もいるといいます▼政府の調査では、18歳未満の7人に1人が貧困状態にあります。十分に学んだり進学したりすることができず、「どうせうちは貧乏だから」と夢を奪われる子どもたち。貧困が物やお金だけではなく子どもたちの希望や意欲まで奪っています▼子どもはみんな可能性をもっています。お金のあるなしにかかわらず安心して暮らし、豊かな教育を受ける機会を保障するのはおとなの重い責任です。子どもたちが生き生きと夢や希望を語れる社会をつくるために。