2010年9月7日(火)「しんぶん赤旗」
待機児 最多水準に
保育所 増設足りず詰め込み
厚労省
厚生労働省は6日、認可保育所に入れない「待機児童」(4月1日時点)が全国で2万6275人となり、過去最多だった2003年に次ぐ高水準になったことを明らかにしました。不況下で働きに出る人が増えているにもかかわらず、保育所の増設が追い付いていないことを示しています。
待機児童は3年連続で増加。ただし、増加数は前年の5834人に比べて891人と大幅に鈍化しました。保育所施設は前年同時点比143カ所増ですが、定員は2万5809人も増えており、「詰め込み」がすすんでいることを示しています。
待機児童が最も多い市区町村は横浜市で1552人、次いで川崎市の1076人、札幌市840人の順。都道府県では東京8435人、神奈川4117人、沖縄1680人の順。石川、長野など10県はゼロでした。
同省は毎年4月と10月に調査。10月は年度途中の入所希望者が加わるため例年、4月の2倍程度となります。厚労省は01年から待機児童の定義を改悪しており、認可外施設に入っている子どもや潜在的需要なども含めると100万人にのぼるともいわれます。しかし、民主党政権は保育所の増設ではなく、「詰め込み」をひどくする規制緩和や保育制度の改悪をすすめようとしています。
日本共産党は、4月に発表した「緊急提言」で、こうした改悪に反対するとともに、待機児童問題を解決するために当面1年間で10万人分、3年間で30万人分の保育所をつくるよう財源も示して求めています。
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