2010年9月6日(月)「しんぶん赤旗」
大企業 内部留保11兆円増
09年度 総額244兆円に
資本金10億円以上の大企業(金融・保険業と郵政3社を除く)は2009年度、世界経済危機の影響で前年度に比べて売り上げを減らす中でも、内部留保を10兆9000億円増やし(4・7%増)、年度末時点で243兆9000億円をため込んだことが分かりました。財務省が3日発表した法人企業統計から本紙が算出しました。
売り上げ減でもため込み 労働者に収入減押しつけ
内部留保は、利益剰余金、資本剰余金、引当金などから自己株式を差し引いたもの。主要部分である利益剰余金は、前年度の133兆2000億円から135兆6000億円に増え、資本剰余金も80兆7000億円から86兆1000億円に増加しました。
売上高は前年度の588兆1000億円から513兆7000億円に12・7%減りましたが、当期純利益は4兆円から7兆円に増加。1人当たり従業員給与・賞与は565万円から539万円に減少。製造業の設備投資(ソフトウエアを除く)は10兆9000億円から7兆円へと36%の大幅減少でした。
大企業は円高・株安を理由に法人税減税など優遇措置の拡大を主張しますが、正社員の非正規への置き換えなどでコストを減らし、売り上げが減っても利益を蓄えていることが改めて浮き彫りになりました。大企業が生産活動への投資を控え、過剰な内部留保をため込んでいることが日本経済の停滞を招いています。
11兆円の内部留保積み増し分は、年収500万円の労働者220万人分の給与に当たります。内部留保の一部を活用するだけで雇用情勢を改善し、内需を増やすことができます。
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