2010年9月4日(土)「しんぶん赤旗」
女性差別 放置は不思議
国連委日本追跡調査 シモノビッチ委員
撤廃条約の早期実施促す
日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク(JNNC)は2日、国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)日本フォローアップ(追跡調査)担当のドゥブラブカ・シモノビッチ委員を招き、国会内で記者会見を開きました。
CEDAWは昨年8月、日本政府が提出したリポートに対する第6次の総括所見を発表しています。
そのなかで、同委員会は▽「民法の差別的規定の改正」▽「あらゆるレベルでの意思決定への女性の参加を引き上げるための数値目標とスケジュールをもった暫定的特別措置の採用」―の二つをフォローアップ項目に指定しました。
日本は実施に向けた措置を2年以内に同委員会に報告する必要があります。
「日本報告の審議から1年、あと1年でフォローアップ項目実施措置の報告を提供しなければいけないという良いタイミングで来日できた」と語ったシモノビッチ委員は、「日本の民法に書かれているような差別的な条項はあまりほかの国では見ることがない。再婚待機期間、結婚年齢、別姓の問題など、なぜこんなことがこんなにも長く放置されているのか、とても不思議です」と話しました。
そのうえで、「日本は、政治的意思はあるが、条約が法的拘束力のあるものだという知識が足りない」とし、「女性差別撤廃条約の批准から25年がたっています。次の段階にすすまなければいけない」と話しました。
シモノビッチ委員は「国内レベルで女性差別撤廃条約の実施を強化していくために、女性差別撤廃条約選択議定書の早期批准が必要だ」と話し、来日後におこなった日本政府との会見の場で、同議定書の批准を促したことを明かしました。
「なぜ日本のジェンダー平等が進まないのか」という質問には、「難しい質問だ」としながらも、「みなさんこそがもっとも国内の事情に通じている。日本の進ちょく状況は遅いと感じています。関係者がより強力に協力しながらとりくむことが必要。女性のより強い政治参加が必要」だと話しました。