2010年9月3日(金)「しんぶん赤旗」
学力テスト
教科増へ準備費計上
文科省が概算要求
文部科学省の2011年度の概算要求に、全国いっせい学力テストの教科数を増加するための準備費用が盛り込まれていることがわかりました。
これまで小学6年生と中学3年生を対象に、国語と算数・数学の2教科で実施してきました。同省は、はやければ12年度から1科目を追加して実施したいとしています。
同省は、いっせい学力テストの予算として、昨年度より4億円増の37億円を要求しています。
全国いっせい学力テストのあり方を検討している文科省の専門家会議が8月に発表した「中間まとめ」は、テストの対象教科について、「教育施策の成果と課題を検証しその改善をはかるため、他の教科も対象とすることを検討すべき。社会、理科、英語は、都道府県独自のテストでも実施している例が相当ある」としています。
全国いっせい学力テストは、07年度から始まり、09年度までは全員参加でおこなってきました。しかし、「競争をあおる」という教員や国民からの強い批判で、10年度から抽出調査にきりかえました。10年度は約30%の小中学校を抽出して実施。ただし、それ以外でも希望する学校は受けられるとしたので、73・5%の学校が参加しました。
全日本教職員組合(全教)副委員長の本田久美子さんは、「全国いっせい学力テストは、抽出になったものの、実施することによって、子どもも学校をもテストづけにして苦しめています。けっきょく現場では、過去問題をやらせて、いっせいテストで高得点をとらせるなど、競争があおられています。教科を増やせば、いっそうテスト重視の教育となってしまいます。そんないっせいテストはきっぱり中止すべきです」と批判しています。
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