2010年9月2日(木)「しんぶん赤旗」
愛宕山に米軍住宅反対
住民、抗議の座り込み
山口・岩国
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政府が愛宕(あたご)山開発事業跡地に米軍住宅を建設する方針を決めたなか、山口県岩国市の愛宕山神社前の広場で1日、愛宕山周辺住民たちが抗議の座り込みをしました。
愛宕山に米軍施設の建設に反対する住民らでつくる「愛宕山を守る会」(岡村寛世話人代表)が呼びかけ、85人が参加し、「愛宕山には米軍施設の建設は反対」との強い意思を表明しました。
愛宕山開発事業は、米海兵隊岩国基地の滑走路を沖合移設するための土砂を搬出した跡地に、宅地造成する計画で1998年に着工しましたが、住宅需要の低迷などで2007年中止となりました。県と市は赤字解消のため、開発跡地の買い取りを国に要望していました。
座り込み集会で岡村氏は「愛宕山開発跡地の利用計画について、政府は、米軍施設用に愛宕山を買い取ることは規定通りに進めていく考えだ。米軍施設の建設は絶対に反対という市民の意思を示していこう」と呼びかけました。
前岩国市長の井原勝介氏は「いったん米軍施設が建設されると、そこは治外法権となり市民の手が及ばなくなる。絶対に米軍施設をつくらせてはいけない。跡地は、市民のために有効に活用すべきだ」と強調しました。
愛宕山開発跡地近くの男性(69)は「私の家は工事の振動で少し傾いた。団地ができるとがまんしていた。ところが、米軍住宅が建設されるという。私たち住民は国や県にだまされた。絶対に建設はさせない」と怒りを表しました。
「守る会」は、防衛副大臣が市に方針説明に来ることにあわせ、防衛相や市長にたいする要請文を提出したいとしています。