2010年9月2日(木)「しんぶん赤旗」
米大統領
イラク「戦闘任務終結」
アフガン戦に集中
【ワシントン=小林俊哉】オバマ米大統領は8月31日、国民向けに行ったテレビ演説で、イラクでの「戦闘任務は終結した」として、今後の同国の治安任務をイラク軍にゆだねることを強調する一方、今後は米軍がアフガニスタンでの戦争に集中することを表明しました。
オバマ氏は演説で、アフガニスタンとパキスタンの国境に本拠を置く国際テロ組織アルカイダが依然として米国への脅威だとして、アフガン戦争に力を集中する考えを強調。「イラクからの撤退によって、攻撃に必要な資源を(アフガンに)注入できる」と述べました。
同時に、アフガン駐留米軍についても、アフガン国軍の支援などを通じて徐々に治安権限をアフガン政府に移し、来年8月には撤退過程を開始したいとの考えを改めて強調しました。
一方、今年3月のイラク連邦議会選挙から5カ月を経ても、新政権が樹立されていないことについて、同国の政治指導者に新政権発足に向けた努力を促しました。さらに「最も緊急性の高い課題は、職を失った何百万人もの米国人を仕事に戻すことだ」と表明。イラクに振り向けてきた戦費を国内経済の立て直しにあてる考えを示しました。