2010年9月2日(木)「しんぶん赤旗」

米大統領 イラク「戦闘任務終結」

開戦7年余 完全撤退は来年末


 【ワシントン=小林俊哉】オバマ米大統領は8月31日、ホワイトハウスの大統領執務室から国民に向けてテレビ演説を行い、イラク駐留米軍の戦闘任務は終結したと宣言しました。2003年3月の開戦から7年5カ月。一時は17万人規模にまで膨れ上がった駐留米軍は、今後は5万人規模で、イラク軍の訓練などにあたります。

 オバマ氏は、イラク戦争の開戦に反対し、戦争の早期終結を公約に掲げて大統領に就任しました。この日の演説でも、この戦争によって、テロや宗派間抗争が引き起こされ、4400人以上の米兵死者を伴い、米国の他国との関係も緊張したと指摘。米軍の戦闘任務が終結したことで、「(これからは)イラク国民が自国の安全保障の責任を持つ」と述べました。

 今後の米イラク関係についてオバマ氏は、「長期的なパートナーシップ」を目指すと強調。文民を中心とする支援を継続する一方、残留米軍については、イラク政府との駐留協定が失効する来年末までに完全撤退すると改めて表明しました。

 ブッシュ前政権は、フセイン政権(当時)が大量破壊兵器を保有しているなどとして、英国などと「有志連合」を形成して戦争に突入。世界的に広がった反戦世論を無視しての強行でした。日本の小泉政権(当時)は、イラクに自衛隊を派兵しました。しかし、大量破壊兵器は発見されず、イラク民間人の死者は10万人に上るといわれます。

 これまでの戦費の総額は7000億ドル(約58兆8000億円)。アフガン戦費とともに米国民に大きな負担を強いる結果となっています。





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