2010年9月2日(木)「しんぶん赤旗」

レッド・パージ 名誉回復勧告

首相に日弁連


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(写真)名誉回復を求める(右から)犀川三郎、佐藤定雄、金子圭之、権田圭助の各氏=1日、東京都内

 東京や埼玉などに住む26人のレッド・パージ被害者が「人権救済申立」をしている問題で、日本弁護士連合会(宇都宮健児会長)は8月31日、菅首相にたいし、「可及的速やかに、申立人らの被った被害の回復のために、名誉回復や補償を含めた適切な措置を講ずるよう」勧告しました。

 勧告では、「レッド・パージ」とは「戦後占領下の日本において連合国最高司令官総司令部(GHQ)の指示や意向を受けて1950年後半を中心に行われた、共産党員及びその同調者の公職や企業からの追放である」としています。申し立てた26人(1人は申告途中に死亡)は、日本電気産業労働組合(電産)の組合員として活動したり、都立高校や日立、国鉄などで勤務途中に突然、解雇されたり、退職強要をうけ、「その名誉を侵害されたばかりでなく、生活の糧を失いました」(勧告)。

 このため勧告は、「申立人の思想・良心の自由、結社の自由を侵害するとともに、重大な人権侵害であった」と認定。「1952年に平和条約が発効した後は、被害回復措置を容易に行うことができたにもかかわらず、今日まで放置してきた国の責任は重い」としています。

 勧告は、「まとめ」で、「職場において思想・良心の自由などが保障されるべきことは、過去の問題ではなく現代的な人権課題」と指摘。「レッド・パージにより解雇された3万人に及ぶ被害者」も同様に救済されるべきだとしています。

 申立人のひとり、犀川三郎さんの話 今回の勧告の特徴は、私たちだけでなく、レッド・パージされた3万人の被害者にも、同様に救済すべきとしている点です。一歩前進です。国会請願署名をはじめ名誉回復と損害補償を求める運動の前進をはかり、この勧告の速やかな実施を政府に求めていく決意です。





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