2010年8月31日(火)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 来る日も来る日も猛暑が列島を包んだ8月が終わります。天気予報を見るたびに曇りや雨のマークを無意識のうちに探していたような気がします。室内にいても日中の室温が上昇し、熱中症で命を落とす痛ましい事故が相次ぎました▼老いた母親を在宅で介護している友人が漏らしていました。勤め先から夜帰宅してそっと寝室をのぞくのだが、静かに寝息を立てているのを確認するとホッとすると。そして紙おむつを替えながら母親をさとしたそうです。自分でトイレに立てないからといって飲む水の量をおさえてはだめだよと▼施設で介護を受けている老人も安心できないと思わされる投書が、「赤旗」日曜版29日号に紹介されていました。100歳の母親を特別養護老人ホームにあずかってもらっている女性の投書です▼電気代節約のため夜8時には冷房が切られるというのです。認知症の入所者もいるので窓は閉め切っていると。特養ホームのスタッフを責めただけでは問題は解決しません▼特別の暑さの夏は、冷房も一晩中稼働できるように機敏に対応するのが血の通った行政というものです。家族や行政、地域の人々がもう少し気をつけてあげたら助かる命があった。そんなことを考えさせられた夏でした▼明日から9月。秋の気配を感じさせる季節ですが、この暑さ、当分やわらぎそうにありません。夜明けや日暮れに、高く美しい声でカナカナと鳴くヒグラシの声が今年は待ち遠しい。友人はそう言って苦笑していました。





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