2010年8月30日(月)「しんぶん赤旗」
陸自・総合火力演習
“戦争ゲーム”に弾薬44トン
事故起こした90式戦車も
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日本で最大規模となる陸上自衛隊の実弾射撃演習「富士総合火力演習」が29日、東富士演習場(静岡県御殿場市など)で公開されました。
防衛省自身、本格的な着上陸侵攻のがい然性は低いとしながら、「敵」に制圧された地域を奪還するという想定で、戦車砲や誘導弾、迫撃砲、りゅう弾砲など約44トンもの弾薬が使用されました。富士山のすそ野で約2時間にわたる“戦争ゲーム”が展開され、大音響が響き渡りました。
演習には戦車・装甲車約80両、火砲約80門、ヘリやF2戦闘機など航空機約30機を使用。20日に砲身が飛び散り、破片が観客席に飛び散る事故を起こした90式戦車も、「原因が究明」され、「安全確認が終了した」として、前日の夜間演習から参加しましたが、会場では陸自側の「おわび」だけが放送され、事故原因についての説明はありませんでした。
陸上自衛隊陸上幕僚監部によると、90式戦車の砲身先端部が土手を削り、定められた手順による安全確認を怠り、土をつめたまま砲撃を行ったという人為的なミスの積み重なりが事故原因だといいます。
また、74式戦車に代わる新型戦車「10(ひとまる)式」も展示されました。
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